複数の問題点・論点の出し方「論点思考 BCG流 問題設定の技術」

複数の問題点・論点の出し方「論点思考 BCG流 問題設定の技術」

ある問題を考えたときに一つの問題点しか挙げられない、複数の問題点をあげられない。 だから、「何が真の解決すべき問題(=論点、イシュー)なのか?がわからない。」 なんて悩みを抱えていないだろうか?私はまさに複数の問題点を考えられない。 といった問題に直面していました。そんな時に手にした本が元BCGの内田和成氏の「論点思考 BCG流 問題設定の技術」です。

この本は、「複数の論点(解決すべき問題、イシュー)の出し方、真の論点を出すための姿勢」を教えてくれました。 加えて、仕事で成長するためのアドバイスも書かれておりためになった本です。

では、「論点思考 BCG流 問題設定の技術」を読んで、 何をすれば複数の論点(解決すべき問題、イシュー)を設定できるのか?と真の論点を出すための姿勢。 そして、仕事で成長するためのアドバイスを紹介したいと思います。

複数の論点(解決すべき問題、イシュー)の出し方

 さて、そもそも真の解決すべき問題(論点、イシューと呼ばれるもの)を導き出すには、 複数の論点(イシュー)を出し、どれかに絞り込む作業が必要になります。しかしながら、 この複数の論点(イシュー)を出すのはとてもむずかしいことです。少なくとも私は苦手です。 では、どうやって複数の論点を出すのかというと以下の3つのいずれか、あるいは全てのステップを行うことで複数の論点を導き出せます。

  • 同じレベルの別の論点を出す
  • 他の人の視点で問題を考える
  • 切り口を変えて問題を捉える

同じレベルの別の論点を出す

 同じレベルの別の論点を導く方法は、以下のステップでできます。

  1. 少なくとも一つの論点(解決すべき問題点、イシュー)を出す
  2. 1の上位概念となる論点を出す(なぜ1の論点が必要なのか?、1の論点を解くとどんな良いことがあるのか?と問う)
  3. 2で導いた上位の概念を満たすには、他にどんな問題をとけばよいか?を問う

上記ステップで別の論点が導き出せるようになります。

例えば、売上が低迷しておりなんとかしたいという依頼を受けたとしましょう。 その時に、一つの論点として「新規顧客を増やす」という論点をひねり出したとします。 以下の図の上部の部分です。

同レベルの別の論点の導出方法の図

次に、「新規顧客開拓」をするのはなんのためか?どんな良いことがあるか?を考えてみましょう。そうすると、売上向上ができるという事がわかります。 最後に、売上アップをするためには、他にどんな問題をとけば良いか?と考えてください。 そうすると、既存顧客のLTV向上であったり、価格改正であったり、はたまた新商品の開発だったりが論点として出てきます。(この際にMECEにあまりこだわらずに同レベルの問題はなにか?を考えてみましょう。)

そもそも、問題点を一つでも考えつくのが難しい方は、問題発見4つの教訓・「ライトついていますか?」問題発見の人間学の記事を参考にしてみてください。

他の人の視点で問題を考える

 他の人の視点で問題を考えることでも、複数の論点を導くことができます。これは、問題発見4つの教訓・「ライトついていますか?」問題発見の人間学の記事でも扱ったように、 「誰の問題か?」を考えて新しい問題を導くものです。具体的には、

  • 上司の立場で考える
  • 2つ上のポジションの立場で考える(つまり、上司の上司)
  • 問題の当事者の立場で考える(顧客、現場の人 etc)

切り口を変えて問題を捉える

 最後に、切り口を変えてみて複数の論点(解決すべき問題点,イシュー)を導き出す方法です。「論点思考 BCG流 問題設定の技術」の本に、たくさんの切り口が紹介されていますが、ここでは、印象に残ったものだけ紹介します。それは、

  • 時間軸を変えてみる(例えば、3年後、10年後だとしたらどうなるか?)
  • アナロジーを使う(今向かっている問題と同じような構造の問題に対しての他の業界、自然界ではどのように問いたのか?を参考にする)
  • 鳥の眼・虫の眼で見る(これは、経営者の視点、現場の視点で見るように誰の問題か?で見る際に極端に下と上に振ってみて問題を捉えてみるということです)

以上、それぞれの3つのやり方を試してみて、複数の論点(解決すべき問題点、イシュー)を出す際の参考にしてみてください。

もちろん、ここでは「論点思考」の一部しか紹介していません(私が重要に感じた点)。 そのため、複数の論点を出すのに困っている。または、真の論点を設定できるようになりたいと考えている方には是非一読することをおすすめします。


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最後に、おまけとして論点思考力を身につけるための姿勢、そして仕事で成長するためのアドバイスも 本書(「論点思考 BCG流 問題設定の技術」)で学ぶことができましたので、 軽く紹介します。

真の論点を出すための姿勢

論点思考力を鍛えるには、常に「真の問題はなにか?」、「他に問題はないか?」と問い続ける。たとえ上司からもらった問題に対しても常に疑う姿勢が大事であるということを本書で学ぶことができます。

仕事で成長するためのアドバイス

 また、仕事で成長するためのアドバイスとして、

  • 論点の全体構造の中で、今自分はどの論点を説いているのか?を常に意識する。 そうすることで、いかに自分が会社の役に立っているのかがわかります。また、上位の論点を把握した上で仕事をするので視座を高く持って仕事に望めるのので成長速度も早くなります。

  • 良いリーダーになるためには、仮説ではなく、論点で仕事を与える。なぜなら、 仮設を与えると検証するだけの分析屋になります。一方で論点(白黒はっきりさせる論点や、オープンな論点)を与えると、判断力、意思決定力が養われます。また、異なる論点を探しやすくなるので論点思考も育ちやすくなります。

以上で、複数の論点を出す方法と、「論点思考 BCG流 問題設定の技術」で学ぶことができた真の論点を設定するための姿勢、仕事で成長するために気をつけることを紹介しました。論点思考を身につけたい方はすぐに読めるので読んでみると良いと思います。

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