問題発見4つの教訓・「ライトついていますか?」問題発見の人間学

問題発見4つの教訓・「ライトついていますか?」問題発見の人間学

 問題発見って何をしたら良いんだろうか?、問題って結局のところなんだろう?と考えたことはありませんか?また、一般的に問題解決よりも問題を発見することのほうが重要と言われています。もちろんそれはわかるのですが、私には今ひとつしっくりこなかったです。

しかし、「ライトついていますか?問題発見の人間学」を読み終えるとやっとしっくりきました。というのも、この本は物語を通して、数多くの問題発見に関する教訓を教えてくれるからです。それでは、どんな教訓が得られるのかを紹介していきます。

問題発見4つの教訓

「ライトついていますか?問題発見の人間学」は問題発見に関しての数多くの教訓を面白い物語を通して教えてくれます。 その物語は、実際に起きたことであったり、ユーモアあるフィクションであったりと小説のように没頭できそこから数多くの教訓を得られます。 以下4つが私が得た教訓です。

  1. 認識をずらすだけで問題は解決できる
  2. 「誰の問題か?」で問題の定義は大きく変わる
  3. 問題を自分事化する。例えば、問題を実際に体験する、当事者の話を聞く。
  4. 本質的な問題発見が最も重要。解決方法ではない。

それぞれは問題定義に深く紐付いて得られる教訓ですので、 まずは問題とはなにか?についておさらいして私が得た教訓を詳しく説明します。

問題とは結局のところなにか?

問題の定義を示した図

 そもそも問題とはなにか?の定義を知らないと教訓を語ることはできません。そこで、もうご存知かもしれませんが、改めて問題の定義を紹介しましょう。上の図のように「現状の認識している状態」と「望んでいる状態」の間に生まれる違いが「問題」です※1。すなわち、問題とは望んだ状態と現状の認識している状態との違いです。

この定義から問題発見に関する教訓が示唆されます。 詳しくは、本を読んでみてください。。。。

というのは、嘘です。 それでは、先程紹介した教訓に関して詳しく紹介していきます。

※1 ちなみに、上の図はバーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」」の問題定義に関する章を参考にして書いた図です。バーバラ・ミントでは考える力が身につきますが、それはこちらの記事: 「考える力が驚くほど身につく「考える技術・書く技術」ピラミッドストラクチャ」を参考にしてください。

認識をずらすだけで問題は解決できる

 これは問題の定義を見れば実はあたりまえなのですが、認識をずらすだけで問題は解決できるというのは「ライトついていますか?」を読んでみて目からうろこが落ちた部分です。

まず、問題とは望んだ状態と認識している状態との違いでした。問題解決の正攻法は「認識している状態」を「望んだ状態」に近づけることです。 しかし、現状の認識を変えることでも問題を解決できるのです。 例えば、都内に勤めていて電車で1時間かけて通勤している山口さんがいるとします。 今、山口さんは通勤時間が長く辛いと思っております(現状の認識)。 本来ならばすぐ通勤できるといいなと思っているとします(望んでいる状態)。 ここでの問題(望んでいる状態と現状の違いは)は、通勤時間が望んでいるよりも長くて辛いと感じていることです。

ここで、現状の認識を変えてみるのはどうでしょうか?例えば、通勤時間を長く感じさせなければよいのです。 したがって、通勤時間は本を読むとすれば通勤時間は長く感じなくなり、むしろインプットを得られる貴重な時間へと認識が変わります。 そうするとどうでしょうか?もう長くて辛いとは感じなくなったので、短くしたいという欲求自体も変化します。 このように、現状の認識を変えることでもこの問題は解決できます。 上記のような例からも、問題を解決する際は、現状を単純に望んでいる姿に近づけるだけではないことがわかります。 これは、問題定義の図を見れば明らかです。現状が変われば欲求はなくなったり、以前の問題は解決できたりします。 また、これは望んでいる状態を変えることでも同じことが言えます。

「誰の問題か?」で問題の定義は大きく変わる

 先程の通勤時間の例は、山口さんの例でした。山口さんは通勤時間が長いと感じているというのが山口さんの問題でした。 実は問題というのは「誰の問題か?」という主語が変わることで大きく変化します。では、山口さんの例に戻って見てみましょう。

さて、山口さんは小学生の子供一人と妻との三人暮らしです。先程は山口さんが通勤に関して感じている問題を取り上げました。 次は、山口さんの通勤に関して奥さん(和子さんとします)の立場で考えてみましょう。そうすると、問題は何になるでしょうか? まず、現状山口さん(夫)が帰ってくるのは遅いです。朝は9時の出社なので朝8時には家をでないといけません。 仕事が終わるのは20時くらいなので、帰宅は21時ごろになります。そうすると、家族全員で夜ご飯を食べることができません。 ここで、山口さんの妻、和子さんは夜ご飯は皆で食卓を囲みたいと思っています(望んでいる状態)。しかしながら、 現状は、子供と和子さんの二人で夕食を食べている状態です(現事の認識している状態)。 すなわち、和子さんにとっての問題は、通勤時間が1時間かかるために家族皆で一緒に夕食を食べられない(家族団らんの時間がない)。 になります。

このように、問題の定義を見るとあたり前なのですが、「誰(主語)」によって大きく問題の定義が変わるので、 「誰の問題か?」という問いを考えるのはとても重要になります。そうしないと居もしない人の問題を解くことになります。 特に、これが企業の問題、商品の問題になると複雑化し「誰」というのが忘れられる傾向にあるので、気をつけていきましょう。

問題を自分事化する

これもまた、問題の定義に大きく紐付いています。自分事化するのは問題発見に関して、そして解くときのモチベーションに関わるのでもとても重要です。 例えば、男性なのに女性の問題を考えないといけないときが企業だとよくあります。 これもできるだけその状況を想定して商品を使ってみたり、当事者の話を聞くというのは自分事化するのにとても重要です。 そうしないと、当事者の現状の認識望んでいる状態が見えてこなく「問題」が見えてきません。 そもそも、問題が見えないと解決できません。そのため、自分で体験してみる。当事者の話を聞き自分事化するのはとても重要なことなのです。

本質的な問題発見が最も重要

 最後の教訓になります。今までは問題提議に関してでしたが、 最後の教訓は如何に問題を解決するかではなく、「何を問題として置くか?」が最も重要であるということです。

同じく山口さんの例で見てみましょう。先程の山口さんの例では、解決方針を「通勤時間を有効に使う」にしました。 つまり、「通勤時間を長く感じる」ということを解決すべき問題として捉えたことになります。 他にも多くの問題の捉え方ができます。例えば、直球で「通勤時間が長い」という問題にすると、 「短くする」というのが解決方針になります。そうすると、引っ越すという解決案が上がります。 あるいは、通勤時間が長いせいで「家族団らんの時間が取れていない」が問題であれば、家族団らんできる時間を確保するというのが解決方針になり、 月曜日、木曜日は早めに帰宅して家族みんなで食事を取るようにする。という解決策を取ることができます。

このように何を問題に置くかで解決方針が大きく変わるのです。だから、問題の設定はどう解決するかを考えるよりもとても重要なのです。 問題が決まれば、解決方針・解決策というのはすぐに出てきます。

だから、どの問題を解くか?を決める作業は問題解決のプロセスで最も重要な部分を担っています。

 最後に、この記事では「ライトついていますか?問題発見の人間学」を読んで 私がどんな教訓を得たかとその詳細について紹介しました。 この本は楽しく、すぐに読め、問題発見の本質に関しての示唆を得ることができます。 そのため、問題発見に関して学びたい・スキルを向上したい方には是非読むことをおすすめします。

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