問題解決とはなにか?問題解決能力を身につける2つの考え方
問題解決能力を身に着けたいが、どうしたら良いのかわからない。 何が問題解決をする際のキモ、考え方なのかがわからない。 いろいろな本を読んだけど結局実践できない。 そんな悩みを抱えていませんか。
そこで、今回の記事では、問題解決の考え方とプロセスに関して紹介したいと思います。
解くべき問題を決め、原因を深ぼる
問題解決にとって重要な考え方は、 どの問題を解くかを決め、なぜ問題がおきたのか?をひたすら考え抜く。 この2つが重要だと思っています。
この考え方が道標となるので、やり方(プロセス)はどんなやり方でも良いのです。 そのため、人それぞれ違うやり方があります。だから、問題解決のやり方のが本が無数にあるのです。 ですが、どんなやり方であれ忘れてはいけないのが、どの問題を解くのか?そして、 なぜ問題が起きたのか(原因)を徹底的に深ぼるという2つの考え方です。 この2つができれば、どんなやり方であれレベルの高い問題解決ができます。
この2つの考えがあればやり方はどんなやり方でも良いのですが、 今回は、「企業参謀・戦略的思考とはなにか」でも紹介されている 問題解決手法を紹介しようと思います。
問題解決の一連のステップは以下のとおりです。
問題解決のプロセスを簡単に説明すると、
- 現象の洗い出し まず現象を洗い出す部分では、表面化している問題点を書き出します
- グルーピング 次に、それぞれの現象が何に帰属するか(何に関係しているのか)を考え、グループに分けます
- 問題設定 そして、グループがどんな問題から来ているのかを考えて問題を設定します。
- 解く問題を決める 時間、資源は有限なので、問題を設定したらどれが一番重要で解くべき問題かを絞り込みます。
- 問題の原因を追求する 解くべき問題をきめたら、なぜそれが起きえるのか?あり得る原因を列挙します
- 課題設定 原因のツリー(イシューツリー)を作ったあとは、解く課題を設定します。
以上が、問題解決のプロセスになります。 では、例を見ながら1つずつ説明していきます。
現象を洗い出す
まず、今起きている現象を洗い出します。 例えば、会計管理システムを販売するBtoBの例で考えてみましょう。 この会社では、まず顧客リストを集めて、それを精査して見込みのある顧客リストを営業に渡して、 営業がアポを取り商談し、製品(会計管理システム)を売るという活動をしているとします。
この会計管理システムを売るまでのフロー(バリューチェーン)で起きている問題を洗い出してみます。 以下の表が問題を洗い出した例です。洗い出しは、実際に顧客にインタビューしたり、社内でインタビューしたり、自分の実務での経験により洗い出したりします。 また、表面化している問題を洗い出すので、問題ではなく現象という言葉を使っています。
グルーピング
次に、洗い出した問題に共通するものでグループに分けます。 先程の現象をグループ化すると、マーケティング、営業、営業のオペレーション、営業人材に関係するものに 分類できました。
問題設定
グループ化したあとに、それぞれどんな問題があるから起きているのでしょうか? それぞれ書き出したものが次の表のようなものになります。 ここでは、マーケティング関係の問題は、「見込み客の抽出方法が 営業が欲している条件と違う 」と定義し、 営業関係の問題を「営業人員の割り振り方が不効率」としています。このように、グループ化しその問題を考えることで、 より包括的に現象を問題として捉えることができ、そうすることでぬけもれを防いだり、 ただ起きた現象にひたすら対処するような場当たり的な対応から抜け出すことができます。
解く問題を決める
この解くべき問題を決めるというのは、戦略的プロセスでもあるのかなと思います。 というのも、選択というのは戦略的プロセスの重要な部分を担うからです。
今回は、使える資源、時間を考えた上でマーケティング関係の問題 「見込み客の抽出方法が営業が欲している条件と違う」を解くべき問題として捉えたとします。
この解くべき問題を何にするかは、とても重要です。 これは最も効果が出るでろう、最もボトルネックになっているだろうことを問題として設定すべきです。
今回の例では、マーケティング部がたくさんの顧客リストを送ってくるが、ほとんどが連絡しても 商談に至らず、営業が欲している顧客と全然合致せずひたすら営業の時間を無駄に使っているという 状況であるというのを想像してみてください。そこで、これを一番重要な問題として今回設定しています。
原因の追求(イシューツリー・イシューアナリシス)
では、次にどのような原因で「見込み客の抽出方法が営業が欲している条件と違う」が起きているのか、 洗い出してみます。ここでは、なぜこの問題が起こり得るのか?をしつこく考え、原因となり得るものをすべて網羅するようにします。
そうすると、次の図のように、問題が起きている原因を深掘りし構造化できたとします。
イシューツリーを作るにあたり原因をすべて網羅することが必要です。 ですので、網羅するにあたって問題の背景知識や業務知識が必要になってきます。 今回の例ですと、このBtoBの会計管理システムや営業、マーケティング部のそれぞれの組織を理解していることが 必要になっていきます。
今回の例だと、そもそも「営業が欲している条件を理解しているか?」と問い、理解しているならその「抽出作業はすぐに終わるものであるのか?」 それともすごく時間がかかるものなのかをYes、Noで答えられるイシュー(課題)の形にしてどんどん書いていきます。
このようにして実際にイシューツリーを作り、その後このイシューツリーのそれぞれの問に答えていくことで、Noとなる箇所が 解くべき課題(イシュー)となります。
課題設定(イシューを決める)
原因の追求をして、イシューツリーを作りました。 次に。このイシューツリーのそれぞれの問に答えていきます。 答えていき、Noとなる箇所が解くべき課題(イシュー)となります。
今回の例だと、そもそも「営業の条件を理解していなく」、そして次の問い「条件を営業とすり合わせできているか」の問いも NOとなりました。それゆえに、そもそも営業部とマーケティング部が連携できていないことがそもそもの原因であることがわかりました。
そうして、この原因を払拭するためには、部署間の連携を強めるのが解決策になります。 例えば、営業の条件を理解するためにマーケティング部署の人が商談に同行する、アポ取りの際の会話を聞く、 そして、営業側はどのようにリストを取得しているのかを一度一緒に行い、マーケティングの実務を理解するなどし お互いの業務に深く関与する機会を作りお互いの溝を埋めていく。
というように、イシューツリーを作ることで問題の真の原因にたどり着き効果的に、 問題解決ができるようになります。
最後に、少し長くなりましたが 問題解決では、どの問題を解くか?そして解くべき問題を決めたら、 その問題の原因は何か?を追求し原因を見つけることが問題解決プロセスでは 重要であることを紹介しました。
この考え方は、「企業参謀・戦略的思考とはなにか」にて説明されているので、 是非読んでみてください。